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みなさん、ごきげんよう。
活字好き ウモリユキミ です。

ユキミ
このページは、読んだ 書籍 について好き勝手な感想を書いています。ネタバレ 含みます。
人のセックスを笑うな
今回は 山崎ナオコーラ 先生の 人のセックスを笑うな を読んでみました。

あらすじ
地元の美術学校に通う19歳の青年みるめは、ある日、20歳年上の非常勤講師ユリから絵のモデルを頼まれる。ユリの自由奔放な魅力に吸い込まれるように、みるめは恋に落ち、2人はやがて深い関係になる。初めての熱い恋に、みるめは有頂天になっていくが、ユリの秘密を知り、みるめは大きなショックを受ける。
「思わず嫉妬したくなる程の才能」と選考委員に絶賛された、せつなさ100%の恋愛小説。
第四一回文藝賞受賞作。
Amazonサイトから一部引用
感想
随分生々しいタイトルだなと同時に、気持ちの良いセックスしてないんだろうな。そう思った。
タイトルには、「他人の恋愛や、はたから見れば滑稽で格好悪い不倫の恋であっても、当人たちは真剣そのものである、という人間の愛おしさに対する思い」などを含んでいるんだろうが、笑われたくなければもう少し節操を持つべきだ。と思う反面、社会的な正しさから外れてしまった人たちの、格好悪くも必死な姿すなわち人間の脆さや愚かさが大衆にはウケるのだろう。
みるめが(恋愛も含めた)セックス下手なのは若いから仕方ない。しかし、ユリが下手なのは「おいっ!」とツッコミたくなる。笑われたくなければ、もう少し頑張れ!
自由奔奮。ものは言いようだ。相手と心の交流をすることから逃げているだけでダサい。みるめを自分の都合の良い「おもちゃ」や「癒やし」として消費しているだけなので、相手の気持ちや快感を思いやるような丁寧さがなく、結果としてセックスも含めてあれこれ下手なのだ。
ユリの夫である猪熊は、この小説を賞賛する社会のメタファーである。妻のサユリ(=ユリ)が若い男(=みるめ)と浮気していることを知りながら、怒るわけでもなく、みるめを自宅に招き入れて穏やかに接する。その「すべてを達観し、許容し、どこか面白がってさえいるようなスタンス」は、まさにこの小説や映画を「切ない純愛」・「大人のユーモア」・「人間の愛おしさが描かれている」と一歩引いた安全な場所から賞賛・消費している世間(読者や観客)の視線に思えて恐ろしい。
猪熊の態度は一見物分かりが良く見えるが、必死で恋をしているみるめからすれば、自分の本気の感情を「大人の余裕」で完全に無力化される、一番残酷な仕打ちだ。これは、他人のドタバタした不倫劇や未熟なセックスを、外側から「人間らしくて可愛いね」・「一所懸命で良いね」と綺麗にパッケージ化して消費する世間の冷たさのそれだ。
この作品は恋愛小説ではなく、人間の滑稽さを覗き見する「人間の業」を綴った作品だ。
この滑稽なドタバタ劇の唯一まともな当事者「えんちゃん」。みるめに片思いし、泥臭く傷つく同世代の女の子。
好きな人が自分ではなく「20歳も年上の既婚女性」という破綻した相手にのめりこんでいく姿を見せつけられる。そのアホな状況への戸惑いや、届かない想いに苦しむ姿は、みるめたちの滑稽なドタバタ劇とは異なり、誰もが身に覚えのあるような本物の痛みとして描かれている。
この作品の『人のセックスを笑うな』というタイトルが、実はえんちゃんのような「真っ当に生きている人」に対して、意地悪に響く側面がある。そのように生きられなかった(生きられない)人間の妬みなのかも知れない。
社会のルールを守り、節操を持ち、真っ当に生きて正しく傷つく「えんちゃん側の世界」は、倫理的に正しく強固だ。そこからこぼれ落ちてしまう人間(ずるくて身勝手なユリ)からすれば、その正しさは時に凶器であり、劣等感を刺激する対象に成り得るだろう。このタイトルは、そうした「まともになれない側」が、まともな世界に向けて放った「どうせ私たちは滑稽だよ、でも笑うなよ」という、開き直り(居直り)であり、一種の逆恨みにすら思える。
そして、みるめのように純粋に振り回されてボロボロに傷ついた被害者や、えんちゃんのように真っ当に生きて泥臭く苦しんでいる人が目の前にいるのに、世間はそれを「エモい恋愛」・「人間の愛おしさ」という綺麗な言葉でパッケージ化して、傷つかない場所から賞賛して消費する他人の本当の痛みや搾取の構造を無視して、「なんかお洒落で切ない物語」として受容してしまう世間の鈍感さに恐ろしいものがある。
最後に
という感じで今回は 山崎ナオコーラ 先生の 人のセックスを笑うな を読んでみました。

ユキミ
若い頃はこういう作品を「なんかお洒落で切ない物語」と思ってしまう一人でした💧
それではまた次の記事でお会いしましょう!
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✨このブログを書いている人✨

ウモリ ユキミ
世の中のあらゆることに首をツッコむ なんでも屋 雨森屋 店主 ウモリユキミ と申します。
福祉 × 教育 × 金融 をライフワークとする個人事業主です。
投資家|ブロガー|手話学習者
家庭菜園ティスト
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