寂れた床屋(1)

日常生活

家の近くに寂れた床屋がある。

赤と青のグルグル回る例のあれが置いてある昔ながらの床屋である。

私は趣味でよく家の近くをランニングしており、時折その床屋の前を通る。

その際、店の中が目に入るのだが、客が入っている様子はなく、つけっぱなしのテレビに新聞を広げた暇そうな店主がいるだけである。

どうやって経営が成り立っているのだろうかと不思議に思う。

余計なお世話だ。

ある時、髪が伸びたので切りに行こうかなぁと思っていたところ、ふと、その床屋を思い出した。

何を思ったのか試しに行ってみようと思ってしまった。

店の前に着くと、そもそもこの店って料金いくらなんだと思った。

店頭に金額が表示されていないのである。

いくらかかるかわからない。

少し怖かったが、ぼったくりバーみたいなことにはならんだろうと思い店の扉を開けた。

カランカランという音で店主に客が来たことが伝わった。

「いっ、いらっしゃいませっ!」

客が来たことに少し驚いた様子の店主が迎え入れてくれた。

やはり普段から客は少ないようだ。

「こちらのお店ってカットのみだとおいくらですか?」一応聞いてみた。

「顔剃り、シャンプー込みで3,500円です」柔和な感じで答えてくれた。

3,500円。

いつも安い店に行っている私からすると少し高いと思ったが、まぁ良いかと思いお願いすることにした。

続く

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